建物用途別の施工管理ポイント

建物の施工管理は、その用途によって異なるポイントがあります。今回は工場、倉庫、福祉施設、厨房の4つの用途に分けて、その管理ポイントを紹介します。

1. 工場の施工管理ポイント

クリーン度の管理

工場では製品の種類により、クリーン度が重要です。食品工場や製薬工場などでは、汚染ゾーンと非汚染ゾーンの動線を明確に分け、床や天井の勾配にも注意が必要です。水たまりができないように床の勾配を設計し、機械設備と連携してエアバランスを確認します。

エアバランスの確認

空気の流れが正しい方向になるよう、建具の気密度を検討します。特に食品工場では衛生管理が重要なため、空気の流れを適切に保つことが必要です。

2. 倉庫の施工管理ポイント

フォークリフトの使用

フォークリフトを使用する倉庫では、外部犬走り部分の勾配を適切に設計することが重要です。また、フォークリフトの運転者の視点を考慮して、出隅コーナーやガードポールを設置し、安全な走行環境を確保します。

換気の確保

エンジン式フォークリフトを使用する場合、排気ガス対策として十分な換気を確保する必要があります。

3. 福祉施設の施工管理ポイント

安全性の確保

福祉施設では利用者の安全が最優先です。手すりや手掛かりの固定を確実に行い、車いす利用者が安全に使用できるように設計します。トイレのペーパーホルダーなども手掛かりとして使用されることがあるため、内装下地をしっかりと設置します。

使用後の事故防止

ボードアンカーでの取り付けではなく、しっかりとした下地に固定することで、使用後の事故を防止します。

4. 厨房の施工管理ポイント

動線の確認

厨房では汚染ゾーンと非汚染ゾーンの動線を明確にし、設置される厨房器具の仕様を確認します。吊戸関係の下地をしっかりと仕込むことも重要です。

衛生的な仕上げ

天井仕上げは衛生的なケイカルを使用し、目地の仕上げ方法についても設計図を確認します。衛生的でない目透かしは避け、突きつけにするなど、行政の判断を確認して施工します。

施工管理の重要性

建物の用途に応じた施工管理を行うことで、安全で効率的な建物を提供できます。施工管理技士としての知識と経験を活かし、どんな建物にも対応できるオールラウンダーを目指しましょう。

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建物用途別の施工管理のポイント