高所作業の安全対策を知ろう!労働安全衛生法のポイント解説

建設現場では、高所作業が日常的に行われています。しかし、高所作業は事故のリスクが高いため、適切な安全対策が必要です。この記事では、労働安全衛生法で定められた高所作業の定義や、安全対策の方法、フルハーネス特別教育についてわかりやすく解説します。

高所作業とは?

高所作業とは、地上から2メートル以上の高さで行う作業のことを指します。これは労働安全衛生法で定められた基準です。建設業では、足場を使った工事や解体作業、高架道路のメンテナンス、電波塔の保守、送電線の点検などが高所作業に該当します。また、高層ビルの窓清掃も高所作業の一例です。

高所作業時の安全対策

高所作業では、はしごや脚立がよく使用されます。これらの器具を安全に使うためのポイントを以下にまとめました。

はしごを使用するときの注意点

  • 上部と下部をしっかり固定する。
  • 傾斜角は75度に設定し、下部には滑り止めを使用する。
  • 上部は60センチ以上上方に出るように設置する。
  • 固定が難しい場合は、他の作業員が下ではしごを押さえる。

脚立を使用するときの注意点

  • 210センチ以下の脚立では上から2段目まで、240センチ以上の脚立では3段目までを使用する。
  • 傾斜角は75度以下に設定する。
  • 折りたたみ式の場合、金具などで角度が小さくなりすぎないようにする。

ヘルメットの着用

高所作業時には、ヘルメットの着用が必須です。労働安全衛生法の規定に合致するヘルメットには、「国家検定合格標章」のシールが貼られています。特に「墜落時保護用」のヘルメットを使用し、正しく装着しましょう。

フルハーネス特別教育とは?

一定の条件下で高所作業を行う作業員には、フルハーネス特別教育の受講が義務付けられています。これは、高さが2メートル以上で作業床を設けることが難しい場所で、フルハーネス型の墜落制止用器具を使用する作業に関する教育です。

労働安全衛生法の改正

2018年の労働安全衛生法改正により、「安全帯」は「墜落制止用器具」と名称が変更されました。これに伴い、U字つり胴ベルト型は使用不可となり、1本つり胴ベルト型とハーネス型の2種類が正式に認められています。また、作業床のない高所作業では、フルハーネス型の使用が原則義務付けられました。

フルハーネス特別教育の内容

フルハーネス特別教育は、学科4.5時間と実技1.5時間で構成されています。学科では以下の内容を学びます。

  • 作業に関する知識
  • フルハーネス型の墜落制止用器具に関する知識
  • 労働災害の防止に関する知識
  • 関係法令

実技では、フルハーネス型墜落制止用器具の正しい使用方法を習得します。

安全な高所作業のために

高所作業は、地上2メートル以上の場所で行う作業を指し、はしごや脚立を使用する場合も含まれます。労働安全衛生法の改正により、高所作業に関するルールが変更されました。新しい規定や墜落制止用器具の使用方法を正しく理解し、安全に作業を行いましょう。

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